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設立会議・第1回全体会結果概要
北東アジア経済会議組織委員会 設立会議・第1回全体会結果概要
以下の内容は、北東アジア経済会議組織委員会の設立会議及び第1回全体会の結果概要を、事務局長の責任において取りまとめたものである。
1. 日時
2000年1月25日(火) 13:30~17:00
2. 会場
ホテル新潟 芙蓉の間
3. 出席者
4. 設立会議の概要
- 平山新潟県知事あいさつ
- 組織委員会の設立
出席者の総意により設立。 - 組織委員会運営に関する申し合わせ
事務局から申し合わせ文案説明、その後出席者全員が申し合わせに同意。 - 委員長・副委員長の選出・就任あいさつ
金森委員長、中国、モンゴル、ロシアそれぞれの副委員長内諾者の就任を出席者の総意により承諾。
5. 第1回全体会の概要
(1) 次回北東アジア経済会議の開催方針
- 事務局案(「北東アジア経済会議2001イン新潟」開催基本方針)が基本的に承認された。
- 「北東アジア経済会議2001イン新潟」では、これまでのテーマに加えて「情報技術」も取り上げるべきであるとの意見が出され、どのような取り上げ方をするかについて事務局で検討することとなった。
(2) 2000年活動計画
- 事務局案(北東アジア経済会議組織委員会2000年活動計画(案))が基本的に承認された。
- 将来開催地が巡回するようになった場合でも継続性を確保する必要があるとの指摘があり、そのためには各常設分科会の構成・活動が重要であるとの意見があった。
- 次々回以降の全体会日程について、火曜日は避けてほしいとの要望があった。
(3) 新潟・北東アジア経済会議2000宣言文草案
- 26日、27日の会議の議論に応じて、各セッションコーディネーター及び事務局が原案修正を行うここともありうるとの前提の下、原案を承認した。なお、最終的に1月27日の会議終了日に採択された宣言文は以下の通り。
(4) 北東アジア経済会議組織委員会の中期的活動方針について出席者がそれぞれ自分の意見を述べた。主な意見を集約すると、以下の通り
- 今回常設的な組織を設立したことは、相互補完性が高い北東アジア地域における新たな地域間協力の枠組みづくりの第1歩として、大きい意義がある。地域間協力、多国間協力の枠組みは世界に多くの例があり、我々はこれらを参考にすることができる。
- 今回参加していない北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、韓国の関係者はもとより、他の北東アジア諸国の政府、国際機関、産業界、NGOなどからも一層の参加・支持を得て、地域間・官民の連携を進め、この地域のエネルギーを結集することが必要である。
- 組織委員会を実質的に成果が上がるものにする必要がある。各国政府からのより強いコミットを求めることなどを含め、決定したことを如何に実施に移していくかについて、十分に検討する必要がある。
- 一方で、具体的な問題解決のためには、科学的な研究・分析が重要であり、各研究機関の協力を進め、調査・研究体制を充実させる必要がある。その意味で、運輸・物流常設分科会の設立は意義がある。
また、北東アジアにおいて今後検討されるべきテーマあるいは協力を進めるべき分野として、運輸物流、環境、貿易投資、エネルギー、開発金融(北東アジア開発銀行を含む)、情報技術、通信、観光、図們江開発、社会文化面での協力などが提示された。
(以上)
北東アジア経済会議組織委員会設立会議出席者名簿
組織委員会メンバー
中華人民共和国
役職 | 出席者 | 所属 | 種別 | 委員名 | 委員所属先 |
---|---|---|---|---|---|
戴錫堯 | 吉林省人民政府図們江地区開発弁公室主任 | 代理 | 洪虎 | 吉林省省長 | |
副委員長 | 呂克儉 | 駐日本国中華人民共和国大使館公使参事官 | 代理 | 龍永図 | 対外貿易経済合作部次官 |
史敏 | 国務院発展研究センター、アジア・アフリカ発展研究所所長 | 本人 | |||
王勝今 | 吉林大学東北アジア研究院院長 | 本人 | |||
鄒竹麗 | 黒龍江省対外貿易経済合作庁副庁長 | 代理 | 宋法棠 | 黒龍江省代理省長 |
日本
役職 | 出席者 | 所属 | 種別 | 委員名 | 委員所属先 |
---|---|---|---|---|---|
委員長 | 金森久雄 | 財団法人環日本海経済研究所(ERINA)理事長 | 本人 | ||
小牧輝夫 | アジア経済研究所地域研究第1部研究主幹 | 代理 | 山澤逸平 | アジア経済研究所所長 | |
三鬼 彰 | 新潟県知事 | 本人 | |||
平山征夫 | 日中東北開発協会会長 | 本人 |
モンゴル
役職 | 出席者 | 所属 | 種別 | 委員名 | 委員所属先 |
---|---|---|---|---|---|
ツェレンダッシュ・ダミラン | インフラ開発省次官 | 本人 | |||
副委員長 | グーダイン・トゥモルチョロン | 外交問題研究所所長 | 代理 | T.バトバヤル | 対外関係省政策局長 |
ロシア連邦
役職 | 出席者 | 所属 | 種別 | 委員名 | 委員所属先 |
---|---|---|---|---|---|
副委員長 | ビクトル・イシャーエフ | 極東ザバイカル協会会長、ハバロフスク地方知事 | 本人 | ||
ヤロスラフ・セメニヒン | 極東海洋・設計・技術研究所所長 | 本人 | |||
エフゲーニー・ヤンキン | 貿易省日本課参事官 | 代理 | V.カラスチン | 貿易省次官 |
アメリカ合衆国
出席者 | 所属 | 種別 |
---|---|---|
趙利済 | 北東アジア経済フォーラム議長、東西センター顧問 | 本人 |
国際連合
出席者 | 所属 | 種別 | 委員名 | 委員所属先 |
---|---|---|---|---|
ツォグツァイハン・ゴンボ | UNDP図們江地域開発事務局シニアプログラムアドバイザー | 代理 | (未定) | UNDP図們江地域開発事務局 |
頼尚龍 | 経済社会局社会経済政策開発管理部チーフ | 本人 |
事務局
日本
役職 | 出席者 | 所属 | 種別 |
---|---|---|---|
事務局長 | 吉田 進 | 財団法人環日本海経済研究所(ERINA)所長 | 本人 |
「北東アジア経済会議2001イン新潟」開催基本方針
2000年1月25日
北東アジア経済会議組織委員会
1. 目的
- 北東アジア各国・地域からの有識者の参加を求め、経済交流の促進に向けた具体的な論議を通じて国内外の関心を高めるとともに、各国政府等への政策提言等を行い、北東アジア経済圏の形成・発展に資する。
- 過去の経済会議で検討された提言内容の実現に向けた取組みの進捗状況を確認し、今後の多国間協力に向けた新たな課題設定を行う。
- 企業家に対する情報提供、企業家相互間の情報交換を促進し、北東アジア地域における経済交流の拡大につなげる。
2. 開催時期・場所
- 開催時期 2001年第1四半期
- 場所 新潟市
3. 主催・共催
- 主催 新潟県、新潟市、財団法人環日本海経済研究所ほか
- 共催 国際連合
- 後援 関係諸団体に依頼。
4. 会議構成
- 第3回北東アジア経済会議組織委員会全体会
- 北東アジア経済会議2001イン新潟
- 基調講演
- テーマ別セッション
【運輸・物流セッション】
【環境セッション】
【貿易・投資セッション】
その他(エネルギー、金融等) - 総括セッション
北東アジア経済会議組織委員会2000年活動計画(案)
2000年1月25日
北東アジア経済会議組織委員会
2000年1月25日、新潟で行われた第1回北東アジア経済会議組織委員会全体会において、出席者は2000年の組織委員会の活動計画を以下の通り定めた。
1. 経済会議開催
- 北東アジア経済会議2001イン新潟(以下、「経済会議2001」という。)開催基本方針」をベースとし、同会議の主催者と協力しながら、開催準備を進める。
- 事務局は経済会議2001の主催者と協力して、第2回組織委員会全体会(以下、「第2回全体会」という。)までに、「経済会議2001開催計画案」を作成する。第2回全体会においてその内容を検討し、「経済会議2001開催計画」を決定する。
2. 第2回全体会の開催
- 2000年6月6日に第2回全体会を開催する。
- 想定される主な議題は、「経済会議2001開催計画」、「常設分科会の設置」、「共同研究の組織」などである。
3. 組織委員会の体制整備
- 常設分科会として「運輸・物流に関する常設分科会」を設置することとし、第2回全体会までに、運営方針、各国メンバーを確定する。
4. 調査研究
- 事務局及び運輸・物流に関する常設分科会は、経済会議2001各セッションの議論の方向性及び発表者について検討を進め、経済会議2001開催計画案に反映させる。
- 経済会議2001開催計画に基づき、関係する各委員は経済会議2001で発表する内容について、調査研究を進める。
- 運輸・物流に関する常設分科会及び事務局において、当該分野における全体的な動向把握、現状分析を行い、次々回の経済会議の開催方針の決定に必要な情報を委員長に提出する。
- 下記の研究テーマ案について、それぞれのコーディネーターが中心となって関係者と調整の上、早急に調査研究ユニットを立ち上げるよう準備を進める。調査研究ユニットが立ち上がったものから順次、調査研究活動を行う。(括弧内はコーディネーター)
- ロシア連邦沿海地方ハサン地区の開発について(極東海運研究所・ロシア、環日本海経済研究所・日本)
- 図們江の水質問題について(図們江開発事務局・UNDP、吉林省、環日本海経済研究所・日本)
5. 対外情報発信・協力要請
- 各委員は、様々な機会を捕らえて、各国関係省庁、民間経済団体に対し、「新潟・北東アジア経済会議2000宣言文」の趣旨を説明する。
新潟・北東アジア経済会議2000 宣言文
(2000年1月27日)
1990年に始まった、新潟における北東アジア地域の交流と協力に関する定期的な会議は1996年以降新潟・北東アジア経済会議として開催されてきた。北東アジア経済圏の発展に向けた新たなスタートとなる11回目の会議として、2000年1月26・27日に新潟・北東アジア経済会議2000が開催された。
この経済会議では、「北東アジアから世界への回廊:国際輸送ネットワークの拡充」、「北東アジアの地球温暖化防止:エネルギー資源の効率的利用」及び「中小企業の国際展開と北東アジア」という3つのセッションにおいて、それぞれの分野に関して政府及び民間、中央及び地方、実務者及び研究者らが参加して、建設的な意見交換を行い、多国間・二国間の今後の協力について積極的な提案を行った。
第1セッション「北東アジアから世界への回廊:国際輸送ネットワークの拡充」では、北東アジアの交通インフラ整備が徐々にではあるが着実に進み、域内における新規航路の開設に加え、域外へ向けた新たな動きがあったことが確認された。しかしながら、国境通過に伴う関税やその他手続き上の問題点は残り、さらに港湾・鉄道・道路間のスムーズな接続、貨物荷姿の標準化、集荷対策といった課題も指摘された。こうした課題を克服し、北東アジア域内は勿論、欧州・北米等域外へ輸送ネットワークを拡充していくことの重要性及び各ルートの利用促進に向けた各国協力の必要性が認識された。この問題の重要性に鑑み、これまでの運輸・物流セッションの議論をベースとした物流関係者間のコミュニケーションの場の常設化が提案された。
第2セッション「北東アジアの地球温暖化防止:エネルギー資源の効率的利用」では、北東アジア地域全体の温室効果ガスの排出の見通しとそれに伴う影響に関する報告を始めとして、各国・機関等の様々な温暖化防止への取組が報告された。さらに、温暖化に係わる地域内協力の可能性を中心課題として、京都メカニズムの活用などを含め、温暖化対策を地域の活性化に繋げる方策について意見交換が行なわれた。気候変動枠組条約の下、この地域で一体となった温暖化防止への取組の強化については共通認識が得られ、具体的には定期的な意見交換の場の設置、この地域に環境産業ネットワークやエネルギー協力コミュニティの創設、クリーン開発メカニズム導入のためのキャパシティの向上などの提案がなされた。
第3セッション「中小企業の国際展開と北東アジア」では、以下の議論がなされた。中国のWTO加盟により中国経済の国際化や産業構造の調整が進展すると見通される中、北東アジアの経済発展に域内中小企業間交流の果たす役割が今後増大すると予想される。特に、中国東北地方においては、中西部開発や国有企業改革の進展等により、日韓中小企業が進出する際の環境が整備されつつある。吉林省や黒龍江省も日韓中小企業との交流が経済活性化と産業構造の転換に果たす役割に注目しかつ期待している。中国東北地方との交流の発展には、相互のニーズを的確に知る必要があり、そのために情報交流ネットワークの構築が急務である。投資国側としては、中小企業の進出を促進すべく、中国側に投資環境の一段の整備、情報公開を求めるところである。また同時に中長期視点から、投資国側も域内中小企業の受入れを視野に入れた環境づくりを行なうことが必要との認識に至った。
これら3セッションの後、「多国間協力:北東アジア経済会議からの提案」と題して、総括セッションを行った。総括セッションでは、各セッションの内容の総括と、今後の多国間協力のありかたと展望について活発な議論が行われた。
また、多国間協力の促進に向けて提案された北東アジア経済会議組織委員会が、1月25日に設立されたことが歓迎されるとともに、その今後の活動に対して期待が表明された。
本組織委員会は、北東アジア経済会議における議論や政策提言の内容を実質的な成果に結び付けていくために、テーマ設定や関連調査研究等の事前準備及び政策提言の事後フォローアップ等の諸活動を行う予定である。
全体の議論を通じ、会議参加者は、既存及び新たに設立される様々な地域間協力組織、国際機関、国際会議が有機的に連携することの重要性を認識し、それぞれの立場において連携の橋渡し役となり、多国間協力を推進していくことの必要性を確認した。