第8回全体会開催概要

概要

1.会議名

第8回北東アジア経済会議組織委員会

2.開催日

2004年7月22日(日)9:30~15:00

3.会場

モンゴル政府外務省会議室(ウランバートル市)

4.参加者

約30名(主な参加者

5.会議の全体的な成果

第8回組織委員会全体会の開催を通じて、経済開発ビジョン策定をはじめとするさまざまなプロジェクトに関する意見交換が行われたことにより、この議論を土 台として、各分野における問題点や課題が一層浮き彫りになったとともに、11月の特別シンポジウムの開催、更には来年の「2005北東アジア経済会議イン 新潟」の開催に向けた多国間の協力の方向性が明確にされた。

6.主な議論の内容・結果

(1)「北東アジア経済会議・特別シンポジウム及び北東アジア経済会議2005開催計画」

  • 「北東アジア経済会議・特別シンポジウム」を、2004年11月29日に新潟国際会議場「朱鷺メッセ」において開催することを決定した。
  • 同時開催プログラムとして、「北東アジア経済会議組織委員会・第1回環境分科会」を開催することを決定した。
  • 「2005北東アジア経済会議イン新潟」を2005年6月6日~8日に「朱鷺メッセ」において開催し、全体会議のほか、「北東アジア経済開発ビジョン」、「輸送回廊/産業・観光回廊」、「北東アジア環境ネットワーク」、「北東アジアエネルギー共同体」などのテーマ別の専門家会合を設置し、第9回北東アジア経済会議組織委員会全体会もここで開催することを決定した。

(2)「多国間協力等事業報告」

各委員から、最近の国際会議開催等の活動状況、多国間協力について主に以下のような報告が行なわれた。

  • スフバートル・バトボルト(モンゴル国外務副大臣)からは、モンゴル経済の優先分野の一つとして観光振興を位置付け、豊富な観光資源の開発等観光分野について各国と協力が必要であることなどが報告された。
  • 史敏(中国国務院発展研究センターアジア・アフリカ発展研究所所長)からは東北振興政策全体について、中央政府がこのプロジェクトに対して重要な意義を与えていること、沿海部に比べ遅れている東北地域の旧工業基地を振興させるために、工業の構造改革を行い、技術改造を推進するとともに新しい工業の発展を進める必要があることなどが報告された。
  • ツォグツァイハン(国連開発計画図們江地域開発事務局副代表)からは、「図們江地域開発プログラムの活動」について、2006年からメンバー国による図們江地域開発事務局への運営資金の提供に対する原則的な合意をしたことなどの報告があった。

(3) 「北東アジア経済開発ビジョン策定に向けて」

  • 引き続き、「北東アジア経済開発ビジョン策定に向けて」について議論が行われた。まず事務局からERINAが研究を行っている同ビジョンの策定に対して組織委員会として、どのようにまとめていくかについて提案がなされた。
  • この提案では、1)作成の過程におけるビジョンの方向性、運輸・物流、環境、エネルギーなど各種プロジェクトの発展させて行くか、という視点からの接近が必要であり、同時に具体的なプロジェクトと全体の考慮、国際的な要請に応えた内容の検討、2)各国の発展戦略、発展計画についての情報共有体制、3)各種プロジェクトのビジョンへの反映と全体の流れの各プロジェクトへの取り込み、4)各国による開発プログラム、開発戦略についての把握、5)特別シンポジウム、2005年経済会議におけるビジョン策定に向けた議論などの内容が示された。
  • 山澤逸平(国際大学学長)からは「APEC2005での北東アジア関連のプログラムについて」として、北東アジア経済開発に関する共同レポート作成とビジョン案について、今後の議論を経た後、APEC2005(2005年11月、大韓民国釜山市で開催予定)において発表することの構想に関して提案が行われた。
  • 各委員による討議を踏まえ、ビジョン策定においては、1)各国代表責任者による分担、2)各国の長期展望に対する考え方の整理、3)「エネルギー、輸送・物流、環境、貿易・投資、金融、観光などの分野における協力」に対する見解の整理、4)ロシアの極東・ザバイカル地域発展プログラム、2020年までのエネルギー計画など北東アジア経済関連のプロジェクトの分析等、5)成果品としての取りまとめ、発表などの内容が承認された。

(事務局作成)

 

第8回北東アジア経済会議組織委員会の主な参加者

中国

方敏 吉林省人民政府図們江開発弁公室主任
李海涛 黒龍江省経済委員会副主任
史敏 国務院発展研究センターアジア・アフリカ発展研究所所長

日本

栢原 英郎 社団法人日本港湾協会理事長、ERINA顧
古賀 憲介 日中東北開発協会特別顧問
山澤 逸平 国際大学学長
吉田 進 ERINA理事長

モンゴル

ツェグミド・ツェンゲル インフラ省次官

韓国

金立三 前全国経済人連合会常任顧問
羅雄培 元韓国副総理

ロシア

ヤロスラフ・セメニヒン 極東海運研究所所長
ケレコフ・ミハイル・イワノビッチ モンゴル駐在ロシア連邦通商代表長

国際機関

ツォグツァイハン 国連開発計画(UNDP)図們江地域開発事務局副代表
アディル・カーン 国連経済社会局社会経済統治管理チーフ