北東アジア地域のコンテナ物流における釜山港の位置づけと今後の展望

主査 新井 洋史 教授
共同研究者 崔 拏榮煥(韓国海洋水産開発院 (KMI) 国際物流投資分析・支援センター長)
研究期間 2023年度-2025年度

研究概要

北東アジア地域には、上海港をはじめ世界有数のコンテナ取扱港湾が存在する中、釜山港は日本や中国の地方港からのフィーダー航路が集中するハブ港として発展してきた。これにより、日本の主要港の相対的地位低下が進む中で、日本の国土交通省は京浜港と阪神港を国際戦略港湾に指定し、内航フィーダー航路の充実などにより、釜山港へのコンテナ貨物の「流出」を抑制しようとしている。2020年の新型コロナ感染拡大に伴う国際物流の混乱により、釜山港での滞貨が発生したことから、一部の荷主企業には釜山港トランシップによる輸送を忌避する動きも起こった。

こうした状況を踏まえ、釜山港が今後も北東アジア地域における主要なコンテナハブ港としての位置づけを維持・強化していく展望がどの程度あるのか、そのための条件は何かについて検討を行う。こうした検討は、新潟港など、釜山港トランシップ輸送を軸にして国際化を図ってきた日本各地の地方港の将来展望にも示唆を与えるものとなるはずである。