COIL型授業の実施~海外実地研修(ハワイ)~
令和2年度後期、人間生活学部の「海外実地研修(ハワイ)」では、ハワイ大学ホノルルコミュニティカレッジ幼児教育コースの科目「Preschool Seminar/Laboratory Fields Experience in Early Childhood Education II」と協働授業を行いました。両大学の教員4人が事前に話し合いを重ね、授業計画を立て、COIL型授業(オンライン協働学習)を同期型(Zoom)と非同期型(Padlet)の両方で行いました。両大学の学生たちが日本とハワイの教育現場の映像を共有し、意見交換を行う形としました。また、幼児教育コースとの交流とは別に、現地の日本語の科目を履修する学生たちとも、ZoomとPadletを使いながら、英語と日本語で交流しました。
海外実地研修(ハワイ)の様子
- 授業実践の展開
海外実地研修(ハワイ)は、1.事前学習、2.現地での活動、3.事後報告、という形で毎年行われている授業ですが、令和2年度はハワイへ渡航ができなかったため、2.の現地での活動の部分(現地の様々な園を訪問する)にCOILを導入して、ハワイのカレッジとの協働学習を行いました。ハワイと新潟の保育実践の動画をZoomで一緒に観ながら、意見交換を行うというものでした。
例年の研修では、現地で様々な特徴を持ついくつかの園を訪問するため、令和2年度は、1つの園についてじっくりとオンライン協働学習で学ぶことに加えて、様々な教育・タイプの園の動画をハワイ側から送ってもらい(モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育、キリスト教の園、公立の園等)、それらの8つの園の保育・教育について、動画を視聴する機会もありました。
- COIL型授業の実践結果
想定以上に双方の学生間の活発な意見交換が行われ、有意義な学びの時間となりました。同じ分野を学ぶ学生同士であるため、両学生の動画を観る視点が似ていて、自国と相手国の保育の異なる点を見つけると、「なぜ?」と熱心に質問していた学生たちの姿が印象的でした。
「コロナ禍での保護者の送迎に関して、普段を違うところは?」「ハワイの保育園では、なぜ昼寝の時に一人ひとり離れて寝ているのか?コロナは関係あるのか?」「マスクは子どもも必ずつけないといけないのか?」など、映像を見ながら気になることや、コロナ禍特有の質問に加えて、「この園の教育方針は?」「園の環境構成で気を付けていることは?」「一斉活動(サークルタイム)では何をするのか?」「食育はしているの?」など、新潟とハワイの園において、見た目の違いから教育内容の違いまで、気付いたことを話し合い、それらの違いがなぜ生じているのかについて、討論しました。
日本語のクラスの学生との交流は少しリラックスした雰囲気で、日本語と英語を混ぜながらグループごとに交流を行い、盛り上がっていました。
- 学生の振り返り(UNP側の意見)
「日本にいながらハワイの教育現場を感じられる、貴重な体験でした。」
「同じ分野を学ぶ者同士で着眼点が似ていたため、有意義な討論ができ、現地に行かずとも、これほどの体験や学びができることに驚かされました。」
「IT化、グローバル化が進む現代社会に対応した学び方の一つとして、通常の研修に加えて、バーチャル海外研修の形も普及してほしいです。」
COIL型授業でのオンライン交流について、非常に前向きな感想が多い結果となりました。