COIL型授業の実施~保育方法・技術~
令和2年度後期、人間生活学部子ども学科の「保育方法・技術」では、ハワイ大学ホノルルコミュニティカレッジ(HonCC)幼児教育コースの科目「Early Childhood Development: Theory into Practice」と協働授業を行いました。両大学の教員4人が事前に話し合いを重ね、授業計画を立て、15回のうちの4回の授業でCOILを活用したオンライン協働学習を実践しました。双方の学生の討論を通して、異文化における幼児教育・保育の共通点や相違点について学ぶ機会とし、Padlet(ウェブ上の掲示板)を使い、英語で討論しました。
- 授業実践の展開
【第1部(1週目)導入:情報交換のための活動】(履修者数・県立大学40名、HonCC30名/7グループ)
・学習達成目標:日米双方の学生がお互いについて知る。
・活動の概要
日米の学生が各自の自己紹介を英語で書き、 各グループの Padlet 上に投稿して、相互の交流を図る。
【第2部(2~3週目)保育実践の動画から学ぶ:協働活動】
・学習達成目標
(1) 相手国の保育実践の動画を視聴して、自国の保育とは異なる新たな視点を学ぶ。
(2) 両国の保育実践の動画を比較して、異文化 における幼児教育・保育の共通点や相違点を見つける。
・活動の概要
受講生は、自由遊びをしている3-4歳児クラスの様子を記録した約5分の動画を4本視聴する(2本はハワイ、2本は新潟)。子ども同士のやり取りや子どもと保育者とのかかわりが見える動画で、互いに字幕翻訳を付けて、あらかじめ教員が作成する。その動画に関して、自分の意見を書き込み、また、相手国の学生の意見や質問に対しての回答を投稿しながら、Padlet上でグループ討論を行う。
【第3部(4週目)振り返りシート:自己評価活動】
・学習達成目標
COIL型授業を体験した振り返りや感想、意見を文章で表現する。
・活動の概要
両国の受講生が母国語を用いて振り返りシートを書く。
(左)第一部「導入」でのPadletの例 / (右)第2部「協働活動」でのPadletの例
- COIL型授業の実践結果
想定以上に双方の学生同士の意見交換が活発に行われました。振り返りでは日米の学生ともに前向きな意見が多い結果となりました。人間生活学部子ども学科の学生にとって英語での交流が難しかったですが、非同期型で行ったため、自動翻訳アプリを活用しながら時間をかけて英語を書くことができました。「日米の教育・保育の違いや共通点は何か」に気付き、「違いはなぜ生じているのか」を考察し、自分の国の状況を客観視する機会となりました。文化背景の異なる双方の学生が共に学び合うことで、新たな視点で幼児教育・保育を捉えることができました。
- 学生の振り返り(日米両サイドの意見)
「日本の授業や実習で学んだことに囚われていたことに気づいた。」
「共通の分野を持つ海外の学生との会話が面白かった。」
「今まで考えたこともなかった保育の視点を得ることができた。」
「インターネット等では得られないハワイの幼児教育に対する考えや思いを知ることができた。」
「インターネットではなく本物の人間(日本人)から学べることに意義がある。」
「教育に違いがあるが、多くの点でお互いの考えに共感することができた。」
「ハワイの学生から多くの質問をされたおかけで、日本の国の保育・教育の意義について考える機会を与えられた。」
「本題に入る前に、お互いの自己紹介をしていたのが良かった。」
「もっと長い期間やりたい。」、「同期型での交流もしたい。」等