COIL型授業の実施~異文化間協働演習~
2021年後期に海外協定校で日本語を専攻している学生18名と本学学生18名が交流活動を行いました。日本語を母語として習得した学生と日本語を外国語として学んだ学生がさまざまな活動を通して、自己、交流の参加者、社会や文化及びコミュニケーションに関する理解を深め、コミュニケーション能力、問題発見解決能力を身につけることを目指しました。
(写真)授業の様子
- COIL型授業の概要
【参加者】
国際地域学部の選択科目「異文化間協働演習」の受講生18名(2年生)
黒竜江大学・上海外国語大学で日本語を学ぶボランティア学生18名(1年生~4年生)
【実施期間】
2021年10月15日から2022年1月21日までの全13回
【使用したICT】 Zoom
- 授業実践の展開
【第1週目】
学習目標:日本語を勉強している学生と知り合う
主な活動:事前にPadletを使って自己紹介をしてもらい、授業ではZoomを使ってグループ内に自己紹介をした。
【第2週目】
学習目標: 聞き手に合せた発表をする
主な活動:グループで新潟県、新潟市、新潟県立大学を紹介する発表を準備し、海外協定協の学生に発表した。発表後は、質問をしてもらい、質問に答えた。
【第3週、4週目】
学習目標:お互いのことをよく知る
主な活動:自分の好きなものやおすすめのものについて紹介するスピーチを準備し、グループ内で聞いてもらった。
【第5週~8週目】
学習目標: 身近な問題について考えて、意見を交換することで、異なる考えや観点を知り、問題を多角的にみる能力を養成する。また、活発で有意義な話し合いにするための方法を学ぶ
主な活動:身近な問題のケースを事前に読んで、グループでディスカッションをした。話した内容は、Padletにメモをして、記録とした。
【第9週~13週目】
学習目標:建設的な話し合いをするのに必要な技能を獲得する。他者が理解しやすく、かつ、興味をもってもらえるような発表を準備し、発表することができる。
主な活動:グループでテーマを決めて、そのテーマに関する調査等を行い、発表をした。具体的にはグループで以下の活動を行った。発表のテーマ決め、発表内容の検討、役割分担、発表のための調査、調査の報告、発表資料の作成、発表練習とそのフィードバック、発表。
- 実践結果
実践を始めたときには、Zoomによるコミュニケーションに、戸惑いや難しさを感じる受講生も多かった。しかし、回を重ねるごとに、Zoomを介したコミュニケーションにも、日本語を母語としない学生とのコミュニケーションにも慣れ、スムーズに、また、楽しく交流することができた。また、この交流を通じて、相手に理解してもらうためにはどのように伝えたらいいのか、相手の意見を引き出すにはどうしたらいいのか、コミュニケーションの問題をどのように解決したらいいのか等を学ぶことができた。
- 学生による感想(一部抜粋)
・他国の学生と議論することは初めてで、日本にいるだけでは得ることのできない新しい発想を知ることができた。
・この講義を受講したことで国外に友達ができたり、多くの意見や考えを知ることができたり、自分のコミュニケーションスキルが上がったと感じる。
・今回の授業を通して、外国人は「異文化」を有しているとはいっても完全に「異なった」存在ではないということ、また日本人も「同文化」を有しているからといって全くの「同じ」存在ではないということを痛感した。そして、あらゆるコミュニケーションや協働において、相手の文化を尊重する態度と、自分の考えを正確に言葉で伝えることが必要だと強く考えた。
・Zoomを介することもあって、はじめはどのように話すのがよいのか手探り状態だったが、その中で自分が常に意識していたのは、自分だったらどうしてほしいか考えることだった。目を見て話す、相槌を打つ、理解の確認をするなど、相手の立場に自分が立ったときにしてほしいと思うことを相手にすることで活発な意見交換ができたと思う。