健康栄養学科

 

健康栄養学科の3つの特長

1.健康をサポートする「食の専門家」としての基礎を築く

人間の生命・営みについて学ぶ学部共通科目、4分野の専門基礎分野、8分野の専門分野について学ぶ専門科目と、主体的・総合的に学ぶ力を体得できる卒業研究を総合的に学ぶことができます。食生活を科学的にマネジメントできる能力と、健康をサポートできる食の専門家としての能力を培います。

2.「食の専門家」としての現場力を磨く

国内の医療施設、給食施設、行政機関において見学や実習をおこないます。また、海外の栄養管理の現場研修の機会を設けています。これらを通して、食の専門家として国際的な視野をもち、社会に貢献できる力をつけます。

3.2つの資格が取得できる

管理栄養士国家試験受験資格と食育推進活動を目指すための栄養教諭一種免許状(管理栄養士国家試験受験資格が基礎資格として必要)が取得できます。栄養教諭は教職科目を履修するため、管理栄養士国家試験受験資格より30単位多く取得する必要があります。

取得できる資格

  •  
  • 管理栄養士国家試験受験資格
  • 栄養士免許
  • 栄養教諭一種免許状

第38回(令和5年度)管理栄養士国家試験結果

合格率87.5%(新卒者)

 

※全国平均49.3%

※管理栄養士養成校(新卒者)の全国平均80.4%

 

履修モデル(令和6年度)

想定される卒業後の進路

・病院
・行政機関(都道府県、市町村保健センター)
・福祉施設(高齢者施設・保育所・障がい者施設 等)
・給食会社
・学校(栄養教諭・学校栄養職員)
・食品会社(企画開発・品質管理 等)
・進学(大学院:栄養学・医学・教育・農学 等)

科目一覧(令和6年度)

※学部共通科目を除く

1年次

1セメスター 2セメスター
  • 健康管理学概論
  • 人体の構造と機能Ⅰ(解剖)
  • 生化学実験Ⅰ(基礎)
  • 調理科学
  • 生化学Ⅰ(機能)
  • 管理栄養士の理解
  • 食品学総論
  • 食品学特論
  • 応用栄養学Ⅰ(栄養管理)
  • 基礎栄養学I(栄養素)
  • 調理学実験
  • 生化学Ⅱ(代謝)
  • 人体の構造と機能Ⅱ(生理)
  • 健康管理学各論Ⅰ(疾病)
  • 生化学実験Ⅱ(応用)
  • 教職の意義
  • 教育原理

2年次

3セメスター 4セメスター
  • 臨床栄養学Ⅰ(基礎)
  • 健康管理学各論Ⅱ(診断・治療)
  • 調理学実習Ⅰ(基礎)
  • 食品衛生学
  • 食品衛生学実験
  • 基礎栄養学Ⅱ(代謝)
  • 応用栄養学Ⅱ(母性・成長期)
  • 栄養教育総論
  • 臨床栄養学Ⅱ(栄養評価)
  • 給食経営管理論Ⅰ(基礎)
  • 給食経営管理論Ⅱ(応用)
  • 食品学実験
  • 食品学実習
  • 道徳教育
  • 教育心理学
  • 特別支援教育概論
  • 公衆栄養学Ⅰ(基礎)
  • 調理学実習Ⅱ(応用)
  • 基礎栄養学実験
  • 応用栄養学Ⅲ(成人・高齢期)
  • 栄養教育各論
  • 臨床栄養学Ⅲ(栄養管理)
  • 臨床栄養学実習Ⅰ(食事療法)
  • 給食経営管理演習
  • 給食経営管理実習Ⅰ(基礎)
  • 教育制度
  • 教育課程
  • 特別活動の指導法
  • 教育の方法及び技術(情報通信技術の活用含む)

3年次

5セメスター 6セメスター
  • 公衆衛生学総論
  • 疫学
  • 解剖生理学実験
  • 栄養教育実践論
  • 公衆栄養学Ⅱ(応用)
  • 英語文献購読セミナー
  • 臨床栄養学Ⅳ(栄養教育)
  • 臨床栄養学実習Ⅱ(栄養管理)
  • 給食経営管理実習Ⅱ(応用)
  • 総合演習**
  • 臨地実習Ⅰ(学校・福祉施設)
  • 公衆栄養学実習
  • 応用栄養学実習
  • 生徒指導
  • 学校栄養教育総論
  • 公衆衛生学各論
  • 健康管理学実習
  • 食生活学
  • 英語文献講読セミナー
  • Global Cooking
  • 栄養教育実習
  • 臨地実習Ⅱ(病院)
  • 臨地実習Ⅲ(保健所)
  • 総合演習**
  • 教育相談
  • 学校栄養教育各論

4年次

7セメスター 8セメスター
  • 総合的な学習の時間の指導法
  • 学校栄養教育実習
  • 学校栄養教育実習指導
  • 卒業研究***
  • 教職実践演習(栄養教諭)
  • 卒業研究***

※ 同一数の * は、通年および年度をまたいで継続する科目。

教員・授業紹介

 

栄養教育論


人間と食の関わりを考え、指導者となるための教育的見地から実践する学びと、健康や生活の質(QOL)の向上につながる主体的な実践力形成の支援に必要な理論と方法の基本を学習します。さらに段階的に発展させた理論と方法を学習します。

太田 優子 准教授
専門分野/栄養教育

管理栄養士の理解

管理栄養士として活躍する先輩の講話や施設への見学を通して、管理栄養士の社会的な役割や職務について学び、資格取得に向けて、大学時代にどのような知識や技術、資質を習得すべきかを考え、理解することを目標とします。

生化学

人体のしくみについて細胞レベル、分子レベルで学習します。生命の最小単位である細胞や組織の構造と機能、人体の主要成分である糖質・脂質・たんぱく質・核酸の性質と代謝、個体の調節機能と恒常性などについて学びます。

食品学

今日の食生活において、健康的で安全な食習慣を実現するには、食品に関する知識の習得や本質を見極める力が必要です。食品の機能、食品成分の化学的変化について体系的に理解を深めるとともに、食品の分類とその特性・評価、利用法などについて学びます。

基礎栄養学

栄養学の基礎を学ぶことにより、その意義について理解します。「栄養とは何か」「栄養素はどのように消化吸収され、体の中でどのように働いているのか」「健康を維持・増進し、疾病を予防するためにはどのように栄養素をとるべきなのか」などについて、その基本を体系的に捉え学修します。

給食経営管理論

特定給食施設における管理栄養士の役割と給食業務を学びます。外食と給食の違い、給食利用者に合わせた栄養・食事管理、および経営管理を給食経営管理論で学びます。これらの知識をもとに給食経営管理演習・実習で給食のマネジメント業務を学びます。

臨床栄養学

基礎的医学知識をよく理解し、疾病の予防および治療等を学習し、臨床現場における必要な栄養管理、実践的な栄養ケアマネジメントを習得します。具体的に症例を通して栄養状態評価のあり方、チーム医療について学びます。

公衆栄養学

社会全体の幸福と健康の維持増進に、食・栄養面から組織的な活動により寄与することをねらいとしています。具体的には国際、国、地域、学校、職場等の健康・栄養状態・食生活・食環境の実態把握と分析、対策、実施、評価をおこなうための理論と方法を学びます。

海外実地研修(ハワイ・東南アジア)

ハワイ、東南アジアそれぞれ1週間の研修プログラムにおいて、現地の保健・福祉・健康・社会事情に触れ、現地の大学の学生との交流を通して、異文化への理解を深めるとともに、国際的な視野を身につけます。

卒業生・在学生からのメッセージ

卒業生(女性)

授業で臨地実習に行った際、管理栄養士が多職種と連携して栄養ケアを行っている姿を見て憧れを持ち、管理栄養士として働きたいと強く思うようになりました。現在、特養の施設で働いているのですが、長く入所されている方が多いため、栄養管理も一人一人に寄りそって行うことができます。多職種協働でその方に適した栄養ケアを行い、その結果少しずつでも栄養状態が改善していると、管理栄養士としてのやりがいを感じます。また、入所者様が「おいしいね」と笑顔で食事する姿を見ると心が温かくなり、管理栄養士になってよかったな、と思います。

3年生(男性)

新潟県立大学は人数がそれほど多くなく小規模な大学ですが、小規模だからこそ学生同士のつながりができやすく、学生と教員の距離が近い点が特徴であり、魅力だと思います。学生同士のつながりは他学科・他学年とも強く、様々な価値観や考え方に触れることができ、それに刺激を受けることも多々あります。授業や進路で不安なことがあっても教員の方々に相談すると丁寧に対応してくださるので勉強の上でも、また進路について考える上でも最適な環境であると思っています。

2年生(女性)

私は入学当初から病院勤務の管理栄養士を目指しています。食事療法とも呼ばれるように病気の治療にはバランスの良い食事内容も大切で、腎臓病の患者にはたんぱく質を抑えるなど、疾患の種類によって対応も変わってきます。身体の状況にあった適切な食事をとることで、スムーズな回復と入院期間の短縮が可能となり、より多くの患者を救うことに繋がると考えます。疾患と食事の関係を学ぶことは、私の興味のある分野であり、将来はそのような知識を活かして、社会に貢献したいと考えています。

健康栄養学科のQ&A

卒業時に取得できる資格について教えてください。

本学の管理栄養士養成課程で定められた単位を修得することにより、栄養士免許と管理栄養士国家試験受験資格を取得することができます。また、管理栄養士養成課程に加えて教職課程を履修することにより、栄養教諭一種免許が取得できます。
栄養士免許は、所定の単位を修得することで卒業と同時に都道府県知事から与えられますが、管理栄養士の資格取得には、国家試験の合格が必要となります。どちらの資格でも栄養管理、給食業務、栄養教育・指導などの基本的な業務を行うことができますが、国家資格として厚生労働大臣より免許を受ける管理栄養士は、より高度な知識が求められる専門的な業務に従事します。栄養教諭は小・中学校などの義務教育学校に配置され、学校給食の管理に加え、食育の推進や、食に関する授業、個別指導などの、食に関する指導を行います。

健康栄養学科を志望しています。どんな勉強が基礎になりますか?

大学入学までに、高等学校までの教育課程を介して培われる各教科の基礎的・基本的な知識及び技能と、栄養学を学術的に探究するのに必要となる知識及び技能を身につけておくことが求められます。健康栄養学科では、学校推薦型選抜で化学の試験を課しており、一般選抜のA日程とC日程においても、大学入学共通テストの理科について化学を受験する必要があります。また、人々の健康に貢献したいという意欲を持つ多様な人材を育成するために、B日程では化学は必須ではなく、選択科目を含めた5教科5科目又は6科目により栄養学を学ぶために必要な「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」を評価します。

海外研修等に参加できますか?

健康栄養学科では、基盤科目に外国語の科目と海外研修を配置し、展開科目に英語で栄養学に関する情報収集やコミュニケーション能力を養う科目を配置しています。
1~2年次に履修できる1週間の海外実地研修では、ハワイ、東南アジアそれぞれの研修プログラムにおいて、現地の保健・福祉・健康・社会事情に触れます。現地の大学の学生との交流を通して、異文化への理解を深めるとともに、国際的な視野を入学して2年のうちに学ぶことができます。
6セメスター(3年次後期)には、自分の希望する進路に進むために、自ら計画を立て、海外研修や留学、インターンシップなどを行うことが可能な期間が設定されています。

卒業生はどのような分野で活躍していますか?

卒業生は、医療機関、行政機関、福祉施設、保育所、学校、給食施設、事業所などの幅広い分野において、管理栄養士として栄養管理や栄養指導、栄養教育を行っています。また、学校や地域において食育推進活動の中核を担う栄養教諭、企業において食品の企画開発や品質管理などにあたる技術者、大学や研究機関、企業の研究所において研究・教育にあたる研究者など、さまざまな分野で食の専門家として活躍しています。
さらに、より高度な知識と技術を身に着けるために大学院進学を志望する人もおり、例年、進学希望者の全員が国公立大学等の大学院に合格しています。令和5年度には本学にも大学院健康栄養学研究科が設置されました。