「モンゴルの経済発展」と「気候変動・脱炭素化」を研究しています。研究室へいつでもどうぞ。
Enkhbayar Shagdar 研究室
北東アジア研究所 教授
専門分野:経済発展と貿易政策、モンゴル経済、気候変動と脱炭素、持続可能な発展、CGE分析
担当科目:地域研究の理論と方法、Political Issues in East Asia
研究内容・授業内容について教えてください。
私は主に 2 つの大きなテーマを研究しています。
一つは、モンゴルの経済発展です。モンゴルは人口が少なく下位中所得国ですが、領土では世界で 19 番目に大きく人口密度の低い国の 1 つです。 モンゴルは約70年間、一党独裁による中央集権的経済体制でしたが、1990年に市場経済へ移行し、移行期に新自由主義的な「ショック療法」政策を実施しました。 移行以来、経済はさまざまな浮き沈みを経験しました。経済は中国への鉱物輸出に過度に依存しているため、外的ショックに対して脆弱になっています。 経済の多角化は長年にわたりモンゴルの主要な開発政策課題ですが、解決されていません。 また、人口が少ないにもかかわらず首都ウランバートルに半数の人口が集中しており、地域開発も重要な課題の一つとなっています。経済発展の課題を理解するには、国のさまざまな政策シナリオと北東アジア各国の経済との関係を調査することが必要です。 私は、継続してこれらの複雑な課題に着目し研究しています。
もうひとつの主要研究テーマは、気候変動と脱炭素化です。1850 年代に産業革命が始まって以来、化石燃料が主要なエネルギー供給源となり、地球の大気中の温室効果ガス (GHG) 濃度の前例のない増加を引き起こしました。 気候変動に対処するための国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が1992年に採択され1994年に発効しました。パリ協定では気温上昇を2℃未満、できれば1.5℃に抑えるという世界的な取り決めが示されました。 そのためには、世界の温室効果ガスの排出量を 2050 年までにネットゼロにする必要があります。私の研究は、パリ協定 と SDGs を達成するための北東アジア各国の課題と対応を調査・分析し、目標の達成に向けた協力の可能性に焦点を当てています。 私は、2008 年から、気候変動枠組条約締約国会議 (COP)にオブザーバーとして参加しています。 COPに参加することで、気候変動に関する包括的な情報や各国の対応状況などに関する情報を得ることができています。