人の健康を支える社会的環境づくり
太田 亜里美 教授
人間生活学部 健康栄養学科
専門分野:社会疫学、栄養疫学、公衆衛生学
担当授業:健康管理学概論
自分で考える授業をめざしたい健康管理学概論
健康管理学概論は、健康栄養学科1年生前期に行う授業で、健康の定義、健康づくりと健康管理、病気の予防の基礎的なところを学びます。先には健康管理学各論という病気のメカニズムや診断方法、治療の授業、より専門性の高い内容の公衆衛生学にもつながる授業となっています。
ドキュメンタリーを見たり、新聞記事、生活習慣病に関する統計データを読んだり、などの現状の理解をします。自分たちの食事、運動の見直し、健康管理が他人ごとにならないよう、対策をグループワークで検討、その後実行、反省会、万歩計の貸し出しもしたこともありました。今後はスマホの健康アプリの使用も検討中です。自分事として考えること、授業と現場がつながるように、実践で使えるように、を大切にしています。
栄養の社会的決定要因
Social Determinants of Healthは「健康の社会的決定要因」と訳され、病気の背景には生物学的な要因だけではなく、性別、教育、職業、所得、家族状況その他生活環境などが影響しています。これらの社会環境の違いが健康格差につながっていて、環境から健康を支援することが重要であると考えられています。この授業では健康や病気の理解、食、栄養の理解に加え、対象者の食、体を取り巻く社会環境についての理解と、自分自身の理解、自分が対象者に対してどのようなアドバイス、支援ができるかについて、考えてほしいと思います。
全員でつくる授業をめざしています
授業は前の授業の復習テストからスタートします。テスト直前、一人一人が集中して見直し、暗記をしている様子、友達と授業ポイントの確認をしている様子もみられ、一人での勉強、友達との勉強、どちらも大事だと感じています。授業は私が教室を歩き回り、質問を投げかけながら進め、授業の中で聞く、読む、考える、覚える、ことができるよう心掛けています。初回の授業では、『自分が将来何をしたいのか』を考え、新しい教科書をめくり、自分が将来したいことにこの授業はどのように役に立つのかを考えてもらいます。授業は、学ぶ目的を自分で理解すること、学ぶことを面白いと思うことが大事だと思います。各授業での学び、学内外の経験を通して『自分が将来何をしたいのか』を探してほしいです。