Gain a global perspective and delve into international economics through English!
Victor Gorshkov 准教授
国際経済学部 国際経済学科
専門分野:比較経済学、新興国経済論、ロシア経済
ゼミ:専門演習Ⅰ
Leveraging the potential of emerging markets for the global good
専門演習Ⅰでは、新興国市場( emerging markets)へ進出する企業の国際化戦略や、新興国からの多国籍企業の海外進出動向について学びます。新興国市場は、近年急激な経済成長を続け、発展過程にある東アジアやBRICSなどの国や地域を指します。主な特徴として、天然資源や人的資本の豊富さ、中間層の増加に伴う国内市場や消費の拡大、新しい技術の浸透の速さなどが挙げられます。そのため、新興国市場は企業にとって、国際貿易や外国投資などを展開する上で非常に魅力的な進出先となっています。授業では全ての活動を英語で行い、新興国市場に関する専門知識の修得だけでなく、学生のグローバルコミュニケーション能力の向上にも重点を置いています。
また、水俣病を学ぶフィールドワークの授業では、教室の外へも飛び出します。熊本県水俣市でのフィールドワークでは、海辺、街、山里などを歩きながら、さまざまな角度から問題を考察します。新潟の阿賀野川沿いのフィールドワークでも、公害の現場を訪れ、歴史ある川のくらしと近代文明の光と影に心をはせながら、学生どうしで対話を深めます。
Reinventing yourself through active learning
専門演習Ⅰでは、学生のアクティブ・ラーニングを促す取り組みを展開しています。毎回の授業では、学生が新興国市場に関するニュースやトピックを取り上げ、それについてクラス全体で討論を行います。授業の後半では、テキストの輪読を通じて学習します。学生による司会を基本とし、発表者による担当部分の紹介、内容に関する質疑応答、ゼミ生による疑問点・論点の提示、クラス全体のディスカッション、担当教員による補足説明という流れで進めていきます。国内外の研究者による特別講義や学生との学術的な交流も定期的に実施し、学生の学びをサポートします。また、課外活動として、毎年12月末に他大学との合同ゼミナール研究会を行っています。
Applying scientific approaches to understand social and economic phenomena
私は新興国発のイノベーションに興味を持ち、ロシアのデジタル決済の動向について研究をしています。ロシアでは、先進国を上回るほどキャッシュレス化が進み、デジタル決済分野において、まさに、リープフロッグ現象(leapfrogging)が起きています。新興国発のイノベーションの事例として、ロシアの中央銀行により開発された携帯電話番号のみで国内送金ができるFaster Payment Systemが挙げられます。この決済システムはロシア市場における国内決済を円滑に行うために開発されましたが、その後、一部の旧ソ連諸国に展開され、イノベーションが先進国で生まれるという、従来とは逆の流れが起きています。このような動きを興味深く注視し、科学的な視点でとらえるようにしています。