新潟県立大学教職員の皆様へ

本学では、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、4月7日の新型コロナウイルス感染症対策本部会議において、5月11日(月)から授業を本格的に開始することを念頭において、4月20日(月)を「授業開始日」、同日から5月10日(日)までを「特別措置期間」とし、新入生オリエンテーションを実施するほかは、小規模な入門科目や展開科目に限定した授業の開始、遠隔授業の試行的実施を予定しておりました。皆様にはさまざまな準備をしていただいてきたものと思います。

しかしながら感染の拡大に歯止めがかからず、予断を許さない状況にあります。このため、7都府県を対象とした緊急事態宣言の発令、全国的な感染の深刻化、新潟県知事からの県民へのお願い等を踏まえ、授業開始日の4月20日(月)は新入生オリエンテーションのみ、資料配付を中心としたものとして行い、同日から5月10日(日)までの「特別措置期間」においては非対面形式の遠隔授業を積極的に試行し、5月11日(月)からは、前期のすべての授業を原則非対面形式で実施することにいたしました。

新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中が恐怖にとらわれ、冷静さを失いつつあるようにみえます。人と人との接触を断てば感染が止まるという、人間の原点を人質にとって脅かすウイルスは手強い存在です。しかし、それによって人と人の関係で成り立つ教育の場が脅かされてはなりません。命を守ることの重要性と教育研究の場としての大学の機能維持、この二つのバランスをいかに維持していくかが今問われています。難題ではあります。

多くの皆様には、非対面形式の遠隔授業の実施という慣れないことをお願いすることとなります。さまざまな試行錯誤を伴うでしょう。しかし、教職員一人一人の創意工夫と相互の協力によって、この災禍から学生、教職員の安全を守り、大学コミュニティを維持してまいりましょう。大学としてベストを尽くす覚悟です。是非とも皆様のご助力をお願いいたします。

令和2年4月13日
新潟県立大学 学長
若杉隆平