「身近な環境をデザインする」
 飯野 秋成 (新潟工科大学)

( 講師による講演の概要)
この講演では、身の回りの空間を描く、ということの最新トピックを紹介した。まず、「パースペクティブ」の手法を実体験することからスタートした。設計製図の入門の授業で、実際に学生たちが取り組んでいる演習だが、定規を使わずに鉛筆 1 本できれいに直線を引くことはなかなか難しい。立方体や直方体といったプリミティブな形状を描くことが、さまざまな空間を生き生きと描くことにつながっていくことを実感してもらった。次に、CG による空間ドローイングの動向のレクチャを行った。CG 技術のキーワードを 3 つ挙げるとすれば、フリーソフト、物理シミュレーション、そしてキャラクターモーションがある。今の CG ソフトでは、光の反射特性だけでなく、物体の柔らかさの設定や重力の設定も自由なので、室内のカーテンの挙動や人の動きさえも簡単にアニメーションできる。ノートパソコンベースでも、あたかも写真のようなリアルな空間デザインができることを実演を通じて理解してもらった。