「雪室貯蔵による食品の高品質化 -雪室熟成コーヒーの科学的検証を中心に-」
曽根英行、押味真里菜、伊藤美咲、大内彩夏、神山 伸

(要旨)
雪室は、冬期の降雪を冷媒とした冷却システムで、低温・高湿度の環境を特徴としている。こうした環境から、雪 室貯蔵は、食品の品質保持のみならず食味を向上させると言われ、古くから実践されている。現在では、じゃがいも をはじめ多くの食品の高付加価値化に利用されているが、その評価は「官能試験」によるものがほとんどで、科学的 に検証された事例は僅かである。本トピックスでは、これまでに解明された「食品の高付加価値化における雪室貯蔵 効果」について、雪室熟成コーヒーの呈味向上機構を中心に紹介する。